ピラティススタジオの物件の選び方|立地・広さ・居抜きの確認点
ピラティススタジオの物件選びでは、良い場所を探す前に、選んではいけない場所を外すことが大切です。出店する場所は、開業してから簡単には変えられません。
家賃が安くても、通ってほしい人が近くにいなければ、集客に苦労します。反対に、人通りが多い場所でも、その家賃を払える売上が作れるとは限りません。
私はfis株式会社代表の雪本(ゆきもと)です。大阪で直営のマシンピラティススタジオとパーソナルジムを今も自分で運営し、全国のスタジオの集客や経営の相談にも直接のっています。
この記事では、現場で店を運営する立場から、物件を見る順番を整理します。きれいな内装や駅からの近さだけでは分からない点も、一緒に確認していきましょう。
この記事でわかること
- 出店場所を選ぶ前に確認したい危険サイン
- 営業の形に合う立地、広さ、建物の条件
- 居抜き物件の注意点と内見、契約前の確認項目
先に結論
場所はあとから直しにくいため、営業や通いやすさに問題がある物件を先に外しましょう。
家賃の安さだけで決めず、通ってほしい人、無理なく作れる売上、建物と契約の条件を合わせて判断してください。
大通りの1階よりも、通い続けやすい場所を考える
ピラティス、特にマンツーマンの指導は、目的を決めて予約して来る利用を想定できます。通りがかりの入店だけに頼る店とは、場所の見方が異なります。
そのため、大通りに面した1階だけに絞る必要はありません。上の階でも、入口が分かりやすく、安心して通えるなら候補になります。
ただし、家賃を抑えるために、見つけにくさや通いにくさまで受け入れるのは考えものです。私は、次の条件を分けて確認するようにお伝えしています。
- 通ってほしい人が、近くに住んでいるか、働いているか
- 検索や地図、建物の案内で見つけてもらえるか
- 初めて来る人でも入口まで迷わず進めるか
- 仕事帰りの女性も、夜に安心して通えるか
広告で店を知ってもらえても、毎回の移動の負担までは解消できません。集客の方法と、通い続けやすい場所の条件は、セットで考えましょう。
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物件選びで先に外したい危険サイン
私が経営相談でお伝えしているのは、物件の良さを探す前に、営業を難しくする条件を確認することです。次の危険サインがあれば、理由や改善できる範囲を確かめてください。

①通ってほしい人が近くに少ない
人通りが多くても、その人たちが利用者になるとは限りません。働く女性に通ってほしいなら、周辺の職場や住まい、帰宅時の道筋まで見ます。
駅の利用者が、そのまま店の前を通るとも限りません。人数だけでなく、誰が、どこから、どこへ向かっているかを確認しましょう。
②家賃が店の売上の上限に合わない
小さなスタジオには、予約を受けられる数に限りがあります。マシンを置ける台数、指導者の人数、営業時間によって、作れる売上も変わります。
予約がすべて埋まった状態を前提に、家賃を決めないでください。空き時間や休業日があっても、支払いを続けられるかを考えます。
③競合が多く、選ばれる理由がない
近くに同業の店があることだけで、候補から外す必要はありません。ただし、料金も内容も似ていて、自分の店を選ぶ理由が見えない場合は注意が必要です。
誰の、どんな希望に応える店なのかを整理しましょう。競合の数に加え、指導の形や営業時間、予約の取りやすさも比較します。
④見つけてもらいにくい条件が重なる
人の流れから外れ、入口が目立たず、上の階で看板も出せない。こうした条件が重なると、初めて来る人への案内が難しくなります。
住所が分かっても、入口や部屋までたどり着けないことがあります。建物の外から、利用者のつもりで歩いて確認してください。
⑤契約の出口が不利になっている
長く営業したくても、契約の内容によっては、期間の終了後に継続できない可能性があります。退去時の工事負担が重い物件にも注意が必要です。
借りる時の費用だけでなく、いつまで使えるか、出る時に何を負担するかを確認します。契約について、くわしくは公式の最新情報で確認してください。
⑥建物の条件が営業内容に合わない
床の揺れや音の伝わり方などは、内装だけでは解決できない場合があります。見た目がきれいでも、指導に適した建物とは限りません。
マシンの重さや動かし方を伝え、工事会社などに確認しましょう。「防音材を敷けば大丈夫」と、現地を調べずに判断しないことが大切です。
⑦女性が夜に安心して通えない
昼間は明るくても、夜になると周囲の様子が変わる場所があります。駅からの道だけでなく、建物の入口や共用の廊下まで確認してください。
近道が暗い路地なら、明るい道で通えるかも見ます。経営者自身が平気かではなく、初めて来る女性の目線で考えましょう。
⑧再開発や取り壊し、耐震性に不明点がある
再開発や立ち退き、建物の取り壊しの予定があれば、営業を続けられる期間に関わります。分かっている計画や、貸主からの通知がないか確認してください。
古い耐震基準の建物は、築年数だけで判断せず、診断や補強の資料も確認します。不明点を残さず、くわしくは公式の最新情報で確認してください。
⑨前の店が同じ業種で撤退している
前もピラティススタジオだった場合、設備が使いやすそうに見えるかもしれません。一方で、その場所で営業を続けにくかった理由がないか確認が必要です。
撤退した事実だけで、集客が難しい場所とは決めつけられません。前の店が出た理由を聞き、確認できたことと分からないことを分けます。
⑩予定する営業が認められていない
住居用の部屋や、使い方に制限がある建物では、希望する営業ができない場合があります。不動産会社の口頭説明だけで判断しないようにしましょう。
指導内容、来店人数、マシンの設置、営業時間を具体的に伝えます。使い方の決まりや管理規約について、くわしくは公式の最新情報で確認してください。
⑪車で通う地域なのに駐車場がない
車での移動が中心の地域では、駐車場まで含めて通いやすさを考えます。近くに時間貸し駐車場があるだけでは、十分とは限りません。
混みやすい時間や、雨の日の移動、駐車料金の負担も確認しましょう。グループ指導では、来店が重なる時の駐車場所も必要です。
危険サインがあったら、改善できるかを確認します。営業に必要な条件が不明なまま契約しないことが大切です。
出店する地域と、利用してほしい時間を合わせる
同じ駅の周辺でも、職場が集まる側と住宅が多い側では、人の動きが異なります。住所や駅からの距離だけで、出店場所を決めないようにしましょう。
次の表は、現地で確かめる視点を整理したものです。地域の名前だけで決めつけず、実際の生活や移動の様子と合わせて見てください。
| 地域の特徴 | 確かめたい時間帯 | 料金と通いやすさの確認点 |
|---|---|---|
| オフィス街 | 出勤前、昼、仕事帰り | 職場から通う目的や勤務日の動きに合うか |
| 住宅街 | 家事や送迎の合間、夕方、休日 | 近隣の暮らしの中で無理なく通えるか |
| 郊外 | 買い物や車移動が重なる時間 | 駐車料金や移動時間を含めて負担が大きくないか |
料金の受け止め方も、地域名だけでは判断できません。周辺の店の料金に加え、誰にどんな指導を届けるのかを合わせて考えます。
安い料金にすれば、その場所で経営が成り立つとは限りません。家賃や人件費を払い、営業を続けられる計画と照らし合わせてください。
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広さは面積よりも、実際に使える間取りで判断する
必要な広さは、マンツーマンかグループかで変わります。募集資料の面積だけを見ても、マシンを安全に使えるかは分かりません。
まず、置く予定のマシンの寸法を図面に入れます。その周囲に、手足を動かす場所と、指導者が移動して補助する場所を確保しましょう。
マンツーマンでは、体の状態を聞く場所や、着替えのしやすさも大切です。受付と更衣場所が近すぎないか、会話が外に聞こえないかも見ます。
グループでは、隣の人との間隔や、全体を見渡せる配置が必要です。入れ替え時に、帰る人と来る人が無理なく動けるかも確認してください。
- 柱や出っ張りを避けてマシンを置けるか
- 扉を開けても運動や通行を妨げないか
- 受付、更衣、荷物置きの場所が確保できるか
- 指導中も出入口への通路をふさがないか
- 清掃や備品の収納に使える場所があるか
マシンが部屋に入るかだけでなく、搬入できるかも確認します。階段、扉、エレベーターの寸法は、購入前に機器の販売元と照合してください。
建物の条件は、マシンと営業内容を伝えて確認する
内見では、明るさや内装に目が向きやすいものです。しかし、営業が始まってから困るのは、床や音、空調などの使い勝手でもあります。
次の項目は、貸主や管理会社、工事会社と確認してください。床の強さや設備の能力は、見た目だけで判断しないことが大切です。
- 床の強さは、マシン、人、備品の重さや動きに対応できるか
- 動作や会話、音楽が下の階や隣に響かないか
- 建物の使い方の制限に、予定する営業が合っているか
- 看板を出せる場所、大きさ、照明の条件は何か
- 予定する営業時間に、入口や共用設備を使えるか
- エレベーターの有無と利用時間は希望に合うか
- 天井の高さは、腕を上げる動作や使用機器に十分か
- トイレや手洗いの位置、清潔さ、水漏れの有無はどうか
- 空調は利用人数に対応でき、換気も行えるか
- 夜の入口や共用部分に照明があり、安心して通えるか
上下左右に、どのような使い方の部屋があるかも聞きましょう。自分の店が出す音だけでなく、周囲の音が指導を妨げないかも確認します。
居抜き物件は、残せる設備と引き継ぐ負担を分けて見る
居抜き物件とは、前の店の内装や設備が残っている物件です。使えるものがあれば、工事の手間や開業までの準備を減らせる可能性があります。
ただし、残っている設備が無料で使えるとは限りません。誰の所有物で、故障時や退去時に誰が費用を負担するかまで確認しましょう。
| 確認するもの | よい点 | 注意点 |
|---|---|---|
| 床や壁、間仕切り | 使えれば工事を減らせる | 配置が合わず、撤去が必要になることがある |
| 空調や照明 | 新しく設置する手間を減らせる | 古さ、故障、電気容量、修理の負担を確認する |
| 受付や更衣室 | 完成後の使い方を想像しやすい | 見た目だけでなく、人数や移動のしやすさを見る |
| 残されたマシン | 搬入や設置の手間を減らせる | 所有者、状態、整備履歴、譲り受ける条件を確認する |
| 内装や設備の引き継ぎ | 既存のものを活用できる | 取得費用と退去時の撤去範囲を確認する |
前の店と同じ業種でも、自分の営業方法に合うとは限りません。「そのまま使えそう」ではなく、必要な改修と撤去を見積もって比較してください。
開業時の支払いは、内装工事だけではありません。物件取得、設備、開業後に使うお金も含めて、準備する資金を整理しましょう。
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内見では昼と夜に歩き、管理会社への質問を残す
内見は、部屋の中を見るだけで終わらせないようにします。通ってほしい人が利用する曜日と時間に、周辺を歩くことが大切です。
- ①駅や駐車場から、初めて来るつもりで歩く
- ②室内を採寸し、音や設備を確認する
- ③平日の夜にも現地へ行き、帰り道まで歩く
- ④不明点を管理会社へ質問し、回答を記録する
現地では、次の項目を写真やメモで残しましょう。候補ごとに同じ項目を確認すると、家賃や印象だけに引っ張られにくくなります。
- 駅からの道に暗い場所や、分かりにくい曲がり角がないか
- 建物の入口と店の場所を、外から確認できるか
- 看板を出せる場所が、実際に人の目に入るか
- 室内と共用部分で、どのような音が聞こえるか
- 近くの競合は、誰に向けてどんな指導をしているか
- 前の店が出た理由について、確認できる情報があるか
- 雨の日や夜でも、移動の負担が大きくないか
管理会社には、「ピラティスはできますか」だけでなく、営業内容を具体的に伝えます。使用機器、人数、音楽、営業時間、看板や工事の希望をまとめて聞いてください。
回答があいまいな項目は、誰が確認し、いつ返答するかまで決めます。大切な条件はメールなどに残し、契約書の内容とも照合しましょう。
契約前は、使い方と退去時の負担を確認する
契約の確認では、毎月の家賃に加え、営業を続ける条件と、やめる時の条件を読みます。分からない言葉は、その場で具体的な説明を求めてください。
- 使い方の決まり:予定する指導、機器、人数、営業時間で使えるか
- 原状回復:退去時に、何をどの状態まで戻す必要があるか
- 更新:継続できる条件と、更新料などの費用は何か
- 解約の予告期間:退去する何か月前までに連絡する必要があるか
- 途中でやめる場合:違約金や、残る家賃の負担があるか
- 工事の条件:指定業者や事前承認が必要か
原状回復(退去時に契約で定めた状態へ戻すこと)は、特に具体化したい項目です。借りた時にあった内装でも、退去時に撤去を求められる契約があります。
居抜きでは、引き継ぐものの一覧と写真を残してください。修理、交換、撤去を誰が負担するかも、書面で確認しておくと判断しやすくなります。
契約の扱いは、物件や契約内容で異なります。くわしくは公式の最新情報で確認してください。不明点は、不動産会社や必要に応じて専門家にも確認しましょう。
よくある質問
駅に近ければ、上の階でも大丈夫ですか?
上の階も候補になります。ただし、駅からの距離だけでなく、入口の分かりやすさ、看板、エレベーター、夜の通いやすさを確認してください。
家賃が安い物件から選んでもよいですか?
予算で候補を絞ることは大切です。そのうえで、通ってほしい人が近くにいるか、営業できるか、必要な工事費まで含めて負担が合うかを確認しましょう。
前もピラティススタジオなら安心ですか?
同じ業種だったことだけでは判断できません。撤退理由に加え、自分の営業内容が認められるか、残る設備の状態や契約条件を改めて確認してください。
必要な広さは、どう決めればよいですか?
マシンの寸法と動作に必要な場所を、図面に入れて考えます。受付、更衣、収納、入れ替え時の通路まで確保できるかを確認してください。
まとめ
- ピラティスの物件は、営業や通いやすさに問題がある候補を先に外す。
- 家賃、人通り、駅からの距離だけでなく、通ってほしい人の生活と合わせて判断する。
- 広さは面積だけで決めず、マシンの配置と人が動く場所まで図面で確認する。
- 居抜き物件は、使える設備と修理、撤去の負担を分けて比較する。
- 昼と夜に現地を歩き、建物と契約の不明点を解消してから決める。
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