ピラティスのフランチャイズと自社ブランド開業の違いと選び方
ピラティスのフランチャイズを選ぶか、自社ブランドで開くかは、何にお金を払い、何を自分で担うかで考えましょう。フランチャイズが悪いわけでも、自社ブランドなら利益が残るわけでもありません。
自分で決めたい人や、本部への支払いを抑えて利益を残したい人には、自社ブランドが合いやすいです。用意された仕組みを使って早く始めたい人には、フランチャイズが合いやすいでしょう。
私はfis株式会社の代表、雪本(ゆきもと)です。今も大阪で直営のマシンピラティススタジオとパーソナルジムを自分で運営しながら、全国のスタジオの集客や経営について、代表本人が直接相談にのっています。
私自身は、フランチャイズに頼らず、自分のブランドで店を持ちたい人の相談にのる立場です。この記事では、その立場を明らかにしたうえで、両方の違いと選び方を整理します。
この記事でわかること
- フランチャイズと自社ブランドで異なる費用や仕事
- 加盟する前に契約書と本部の説明で確かめること
- 自社ブランドで開業するための準備と手順
先に結論
払うお金と、任せられる仕事をセットで比べることが大切です。
自分で決める範囲を広く持ちたいなら自社ブランド、仕組みを買って準備を進めたいならフランチャイズが候補になります。
どちらも、開業後に集客と日々の運営を続けられるかまで考えて選びましょう。
フランチャイズは本部の看板とやり方を使う仕組みです
フランチャイズとは、本部の店名や運営のやり方を使って、自分がオーナーとして店を経営する仕組みです。その代わりに、加盟金やロイヤリティ(毎月など、契約に沿って本部に払うお金)を支払います。
本部が用意するものには、研修や予約の仕組み、広告の素材、運営の手順などがあります。ただし、どこまで含まれるかは本部や契約によって異なります。
加盟したら、本部が店の仕事をすべて引き受けるわけではありません。スタッフの採用やシフトの調整、お客様への対応など、オーナーが担う仕事もあります。
自社ブランドは、店名や料金、サービスの内容を自分で決める方法です。自分で用意することは増えますが、ホームページ制作や広告運用など、必要な仕事だけを外部に頼むこともできます。
自社ブランドで開くことと、全部を一人でやることは別です。看板や経営の判断は自分で持ち、苦手な仕事には人の力を借りる、という進め方もあります。
費用だけでなく自由と支援の範囲を比べましょう
加盟金だけを見ても、開業後の負担はわかりません。毎月の支払いと、自分が担当する仕事を並べて比べることが大切です。

次の表は、一般的な違いを整理したものです。実際の費用や支援内容は、個別の条件で確認してください。
| 項目 | フランチャイズ | 自社ブランド |
|---|---|---|
| 最初に払うお金 | 物件や設備などに加え、加盟金や研修費など。含まれる範囲を確認する | 物件や設備、店名やホームページなどの準備に支払う |
| 毎月払うお金 | 家賃や人件費などに加え、本部への支払いがある | 本部への支払いはないが、予約の仕組みや外部への依頼には費用がかかる |
| 看板の知名度 | 本部の看板を使えるが、地域で知られているかは別に確認する | 開業時から、自分の店を地域に知ってもらう必要がある |
| やり方の自由 | 料金やサービス、広告などに決まりがある場合がある | 自分で決めやすいが、判断と見直しも自分で行う |
| 集客のしくみ | 本部の仕組みを使える場合があるが、担当範囲の確認が必要 | 自分で整えるか、必要な仕事を外部に頼む |
| 研修 | 本部が用意する場合があるが、対象や追加費用を確認する | 必要な知識や技術を選び、自分で研修を用意する |
| 契約の縛り | 契約期間や、終了後に同じ仕事を制限する条件などがある場合がある | 加盟契約はないが、物件や外部業者などとの契約は必要になる |
| 手元に残る利益 | 本部への支払いを含む、すべての経費によって変わる | 本部への支払いはないが、自分で用意する仕事の費用によって変わる |
知名度があっても、その地域で予約が入るとは限りません。反対に、自社ブランドでも、地域のお客様に選ばれる理由を伝えていくことはできます。
支援が多く見える場合も、実際に使える内容かを確かめましょう。開業前の説明だけでなく、開業後に困ったときの対応まで見る必要があります。
比較するのは、看板の大きさだけではありません。支払う費用に対して、自分の仕事がどこまで減るのかを確かめましょう。
自分がどこまで決めたいかで向き不向きが変わります
用意された手順に沿って始めたい人はフランチャイズが候補です
開業の準備を何から始めればよいかわからない人にとって、手順が用意されていることは助けになります。研修や運営方法をまとめて取り入れたい人にも、検討する意味があります。
- 店名や基本のサービスを、一から考える負担を減らしたい
- 本部の研修や運営の手順を使いたい
- 自分の好みより、決められた方法に沿って進めたい
- 継続して支払う費用に納得できる支援を求めている
ただし、早く始められるかは、物件や採用の状況にも左右されます。本部があることを理由に、準備や経営の判断を任せきりにしないことが大切です。
料金や店づくりを自分で決めたい人は自社ブランドが候補です
地域やお客様に合わせて、料金や通い方を変えたい人には、自社ブランドが合いやすいでしょう。店の改善を、自分の判断で進められる点も特徴です。
- 届けたい相手や、作りたい店の考え方がある
- 料金やレッスンの内容を自分で決めたい
- 本部への継続的な支払いを抑えたい
- 必要な仕事だけ、外部の専門家に頼みたい
一方で、自由な分だけ判断する仕事は増えます。利益を多く残したいなら、外部への支払いと、自分が使う時間の両方を見ておきましょう。
加盟する前に契約書と支援内容を確かめましょう
説明を聞いてよいと感じても、その場の印象だけで加盟を決めないようにしましょう。説明された内容が契約書にどう書かれているかを確かめることが大切です。
契約の期間と支払いの条件を確認します
- 契約はいつまで続き、更新には何が必要か
- 更新料や、条件が変わる可能性はあるか
- 途中でやめる場合、違約金(契約違反などの際に払うお金)はどう決まるか
- ロイヤリティは定額か、売上に応じて変わるか
- 売上に応じる場合、何を売上に含めて計算するか
- 売上が少ない月にも、最低限の支払いがあるか
- 広告費や予約の仕組みの利用料は別にかかるか
「毎月の支払い」という一つの金額だけで判断しないことが大切です。追加費用や更新時の負担まで含めて、書面で整理しましょう。
出店の条件と契約終了後の決まりを確認します
- 近くに同じ看板の店が出る場合、地域を守る決まりはあるか
- 本部の直営店と加盟店の両方が、その決まりの対象か
- やめた後に同じ仕事を制限する決まりはあるか
- 制限がある場合、期間・地域・仕事の範囲はどう書かれているか
- マシンや内装の業者は指定されているか
- 修理や買い替えも、指定先への依頼が必要か
契約終了後の制限は、その後の働き方にも関わります。意味がわからない条文は、署名前に本部へ確認し、必要に応じて弁護士にも相談してください。
契約条件の法的な扱いは、内容や状況によって異なります。くわしくは公式の最新情報で確認してください。
本部が行う集客と開業後の対応を確認します
- ホームページの制作と更新は誰が行うか
- Googleマップの情報は誰が管理するか
- 広告の準備・配信・見直しは誰が担当するか
- 予約が少ないとき、具体的に何を支援してくれるか
- スタッフが退職したとき、採用や研修の支援はあるか
- 相談への返答方法や、対応できる時間は決まっているか
「集客を支援します」という説明だけでは、任せられる仕事がわかりません。広告を作るところまでなのか、結果を見て直すところまでなのかを分けて聞きましょう。
すでに加盟しているオーナーの話も、可能な範囲で聞いてください。金額だけでなく、日々の仕事、本部の対応、自分で用意したものを確かめると判断しやすくなります。
口頭の説明と契約書に違いがある場合は、署名前に整理しましょう。わからない条件を残したまま進めないことが大切です。
自社ブランドでは店の方針と日々の仕組みを用意します
自社ブランドの準備は、店名や内装を決めることだけではありません。お客様に選んでもらい、通い続けてもらうための仕組みまで整えます。
誰に何を届ける店なのかを決めます
まず、どのような人に通ってほしいかを考えましょう。運動が初めての人と、運動を生活に取り入れている人では、必要な説明や通い方が異なります。
そのうえで、レッスンの形式、予約できる時間、料金を決めます。料金は周りの店だけを見て決めず、運営にかかる費用と提供する内容を合わせて考えましょう。
予約と集客の流れを整えます
ホームページには、料金や場所、レッスン内容、体験の流れを載せます。初めて見た人が、疑問を解消して予約できる内容にしましょう。
Googleマップには、所在地や営業時間などの情報を整えます。広告を使う場合は、広告を見た人がどこへ進み、どう予約するかまで確認します。
集客方法は、それぞれの役割を分けて考えると整理しやすくなります。開業時に何を用意するかは、予算と自分が対応できる仕事に合わせて決めましょう。
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採用と運営の手順を整えます
スタッフを採用するなら、指導技術だけでなく、接客や予約対応で求めることも明確にします。店の方針を共有できるよう、研修の内容も用意しましょう。
運営のマニュアル(仕事の手順書)は、困りやすい場面から作ると進めやすくなります。長い文章にするより、誰が読んでも同じ対応ができる形を目指してください。
- 開店前と閉店後の確認
- 体験のお客様への案内
- 予約変更やキャンセルへの対応
- 清掃とマシンの点検
- 体調不良や事故が起きたときの連絡
- 支払いと会員情報の管理
自社ブランドでの開業は順番を決めて進めましょう
- ① 誰に何を届ける店にするかを決める
通ってほしい人と、提供する内容を言葉にします。この方針を先に決めると、物件や設備を選ぶ基準ができ、準備の途中でも判断しやすくなります。
- ② 開業までのお金と開業後のお金を分けて整理する
物件や内装、マシンなどの準備費用を並べます。さらに、家賃や人件費、広告費など、開業後に出ていくお金も別に整理してください。
開業時点で手元のお金を使い切らない計画が必要です。費用の整理については、開業準備と日々の運営を分けて考えましょう。
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- ③ 店の方針に合う物件と設備を選ぶ
希望するレッスンができる広さや配置を確認します。家賃だけで決めず、お客様の通いやすさや、スタッフが動きやすいかも見ておきましょう。
- ④ 料金・予約・集客の準備をつなげる
ホームページに載せる料金と、予約画面の内容をそろえます。スマートフォンで実際に操作し、案内を見てから予約完了まで進めるかを確かめてください。
- ⑤ 採用と研修を行い、営業の練習をする
お客様が来た場面を想定し、案内からレッスン、会計まで試します。予約変更や急な欠勤など、予定どおりに進まない場面の対応も確認しましょう。
- ⑥ 開業後に予約と運営の状況を見直す
開業したら、体験予約が入っているか、入会後に通いやすい状態かを確認します。スタッフの負担や毎月の支払いも見ながら、直す場所を決めていきましょう。
手元に残る利益は同じ条件で比べましょう
フランチャイズは、本部への支払いがあるから利益が少ないとは言い切れません。支援によって売上や仕事の負担が変われば、店全体の結果も変わります。
自社ブランドも、本部への支払いがないだけで利益が増えるわけではありません。広告や採用、研修などを自分で整える費用がかかります。
比較するときは、まず同じ売上と基本の経費を置き、そこへ本部への支払いや外部への依頼費を加えます。そのうえで、売上が想定より少ない場合も支払いを続けられるかを考えましょう。
また、自分が毎日どの仕事に時間を使うかも比べてください。利益とオーナーの働き方を一緒に見ることが、続けられる方法を選ぶ助けになります。
よくある質問
ピラティスの経営が初めてなら、フランチャイズがよいですか。
初めてという理由だけでは決められません。研修や支援が自分に必要な内容か、支払いと担当する仕事に納得できるかで考えましょう。
自社ブランドは、知名度がなくても開業できますか。
開業できます。ただし、地域のお客様に店を知ってもらい、選ぶ理由を伝える準備が必要です。看板を作るだけでなく、予約までの流れを整えましょう。
フランチャイズなら集客を本部に任せられますか。
本部と契約によって異なります。広告の費用負担、実際の作業、結果を見て改善する担当を、それぞれ確認してください。
加盟をやめた後、自分の店として営業できますか。
契約内容や状況によるため、一律には判断できません。同じ仕事を制限する条文や店名・設備の扱いを確認し、必要に応じて弁護士へ相談してください。くわしくは公式の最新情報で確認してください。
まとめ
- フランチャイズと自社ブランドは、払うお金と自分が担う仕事が異なります。
- 仕組みを買って始めたい人はフランチャイズ、自分で決めたい人は自社ブランドが合いやすいです。
- 加盟前には、支払い・契約終了時の条件・本部の支援範囲を書面で確かめましょう。
- 自社ブランドでは、店の方針・料金・予約・集客・採用・運営の手順を用意します。
- 看板や加盟金だけでなく、手元に残る利益と自分の働き方まで比べて選びましょう。
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